コメント:(memo) ●紅一点女性ボーカル・パンクバンドとして日本パンクシーンで活動を続けるニッキー&ザ・ウォリアーズ。毎年、精力的に届けられる新譜、今回は原点回帰といえるポップなロックチューン2曲と、長いキャリアあればこそのドラマティックな2曲が収められている。 CD冒頭の2曲は、ニッキーが歌い始めた頃にお気に入りだったデボラ・ハリー率いるブロンディを彷彿とさせるカラフルなナンバー。「サム・フラワーズ」の野郎たちの太い声でラヴ!ラヴ!連呼のコーラスに導かれニッキーが歌い出す「♪愛をこめてアナタに」のメロディは一度聴いたら忘れられないキャッチーさ。そう、花束ひとつで世界が変わるのだ。 続く「マイ・ティアドロップス」も早口コトバみたいなサビは覚えやすく、その陽気さが楽しいナンバー。悲しい涙なんて笑って吹き飛ばすニッキー流のアティチュードが爽快だ。 翼を失くしたエンジェル、群がる悪魔たち。続く「ウィングレス・エンジェル」はステージを去っていった仲間へのレクイエム〜鎮魂歌だろう。「♪この場所はかつてアナタが立っていた場所よ。凍りついた太陽、目を覚ませ」。そんな力強いメッセージ。ラストの「マイウェイ」ばりの大口のギターソロがフィナーレを飾る。 2023年、春に宙也とデュエットで録音した「コズミック・ラヴ」は会場配布され話題を呼んだが、ここにはニッキー・ボーカルバージョンで収録された。2人は『Venus&Zeus』というユニットで活動しているが、「地球管制塔からゼウスへ・・」というニッキーのささやきから爆発する、儚くも激しきロンリー・スペース・パンクの名曲だろう。 今回も不動のラインナップ。The STRUMMERSやHOT & COOLで活躍する大口知彦(Guitar)、THE STREET BEATSで強烈なビートを担う牟田昌広(Drums)。もちろん2016年から加入したKATSUJI(bass)のベースプレイは絶好調だ。今回もキーボードとレコーディングに辣腕ぶりを発揮する"神の手"磯江俊道(Kd)が振りかける魔法の粉はニッキーとの相性バッチリ。 カラフルなニッキーがいっぱい描かれたCDジャケットは、少年ナイフ等のジャケ・デザインで知られるイラストレーター斉藤マミ作。曲「サム・フラワーズ」が完成したとき、「マミさんの絵がぴったり!」とニッキー自身から直接オファーしたという。 花束ひとつで世界は変わる。混沌とした社会、パンクシーンに今、愛の花束を投げ込め!本作はニッキーから全人類へのヒミツのプレゼントだ。 ★8頁ブックレット・ジャケ/カラオケ2曲追加収録。 ■ソングリスト 1.SOME FLOWERS 2.MY TEARDROPS 3.WIGLESS ANGEL〜無翼の天使 4.COSMIC LOVE 5.SOME FLOWERS(backtrack) 6.MY TEARDROPS(backtrack)