コメント:(memo) ※日本盤のみ対訳つき、LPとCDが同時リリース!※ ミルウォーキーのScreamo/Skramzバンド『snag』2ndアルバム『Death Doula』が、3LA(Japan)、Middle-Man Records(US)、Zegema Beach Records (Canada)、Sad React (Europe)等により共同リリース! (以下レーベルインフォより) USミルウォーキーから登場したsnagの2019年作は衝撃的だった。"milwaukee river skramz about climate anxiety."、つまり気候変動に向き合ったSkramz作品であり、全てを燃やし無に帰すためのマッチと枯葉入りという仕様まで含めたコンセプトも見事だった。Screamoを、悲観的な叫びをぶちまけるだけの音楽としてではなく、乾いた美しいギターの音色とこれまでのハードコアルーツとは別のところから湧き上がってきた表現として鳴らす。そのサウンドはとてつもなくカラフルだ。そして自分がどこから来てどこへ向かうのか、どこかで間違ってしまっているんじゃないのかという問いがあった。前作とテーマは違えど、本作は多くの問いを内包した作品であり、彼らのこれまでの活動の集大成でもある。 2019年の時点で、確かに気候変動は世界的なトピックの1つであり、それは現在も変わらない。だが2020年は、そして2021年も我々にとってはそれ以上に身近な場所にある多くの困難と向き合わなくてはならない年でもあった。snagの表現には「不安」がつきまとう。気候変動も未来への不安の一種と言えるが、本作で表現される不安は、より「死」というものに近づいている。コロナ禍における死、孤独、経済問題、それまで蓋をさせられていた多くの問題が浮き彫りとなった。しかしコミュニティの仲間で手を貸し合い、助け合うこと、協力し合うことで未来に明るい希望を託すことが出来ることもまた学びであった。この学びがバンドに大きな変化をもたらしているのかもしれない。直感的な演奏、叫び、不穏な音使いを重ねながらも、楽曲は1曲の中でも次々を景色を変えていき、これまでの作品と異なる光の射す場所へと導いてゆく。禁じ手ともいえるバイオリン、チェロ、トランペットといった楽器隊とのコラボレーションもまた、協力し合うことで未来を明るい場所へと導いてゆくという彼らの表現と連動しており、不協和音を奏でるsnagの演奏隊とのアンサンブルが絶妙だ。Screamo/Skramzという音楽の歴史は、パンクハードコアの文脈に根ざしながらもシーンから爪弾きにされ見向きもされない場所から始まっている。そして、だからこそ表現できるオルタナティブな思想、価値観、流儀がある。いま現在のScreamo/Skramzをサポートする全てのリスナーに聴いてほしい作品です。そう思うくらい、snagの表現には不器用だが真摯で熱い何かがある。 tracklist: 1. Jar Spell 2. Heirloom 3. Prairie Thistle 4. Next Morning 5. Weathervane6. Purgatory7. Paradigm Shift