コメント:(memo) ●「ジャンル」という言葉によって括られるのではなく、過去のよきモノを継承し負の側面を精算する。新たなスタンダードを持ってスタンダードを殺す事。『ALTERNATIVE PUNK』という形容に相応しい濃厚alternative/emotive punk splitがDEBAUCH MOODよりリリース! DAWN: 2002年Gt/Vo柴田がDAIEI SPRAYと並行しつつ青森にて結成、現在は東京に拠点を移し活動中の「DAWN」 彼らの内に燻ぶる熱源をより押し進めた、ガンガン重心下腹部に来るウネる土台が強固な3曲を収録。ドライビング感溢れるギターサウンド且つワイルドに響くグルーヴは分厚く、ウィットにドロドロな質感とどこか惚けた力の抜け具合にて全体の空気を引き立てつつ攻めの数分間を各曲で演出している。 往年の日本的解釈をベースにしつつ、後期NAKED RAYGUNやBHOPAL STIFFS、RIGHTS OF THE ACCUSED等なIain Burgessが関与したあたりのシカゴPUNK勢〜GOVERNMENT ISSUEの『YOU (LP)』等の後期ワシントンPUNK勢に及ぶまで。どう考えても明らかにチョイスが渋すぎる解釈から、Dave Grohlの初期キャリアであったDAIN BRAMAGE、イギリスにおける『後期のメロディアスな無政府主義的バンドと、新しい波の上にあったHARDなR&R BAND』の音楽的混血として生まれたHDQなどに通ずるあの時代のギターバンド感。そしてDUSTやLEGIONAIRE’S DISEASE(BAND)などのパワーバンド勢の体幹までもをどこか感じさせるような凝縮モノとなっている。 最早毎聴時体力を削られる(笑)程に突き進み、決して極端な感情の荒げ方ではないある種冷淡な姿勢との合わせと相まって強い個性がにじみ出る、ちょっと簡単には語りつくせない入魂具合に今後の多くを期待するには十分すぎるこちらがAside。 SHIPYARDS: 2008年結成の東京を拠点に活動する「SHIPYARDS」。前身バンドSUFFERING FROM A CASEの頃より評価を得ていたそのメロディーメイカーとしての華はより深化、そのままバンドのポテンシャルと共にフル炸裂したアレンジ力との相乗の大成功により、名実ともに一躍その名を知らしめる彼等の初アナログリリース! その独自のメロディアスなラインのより生々しい要素を抽出。毎聴時に様々な側面が無邪気に顔を出すその感覚は本当の意味で『青い』という言葉が当てはまるのかもしれない。支えるは内向的かつつぶさにに衝動を放出し続けるギターと、スムージーではあるが決して爽やかとは例えがたい無機質かつ淡々と準える・描くリズム隊。それらがじわじわと繋いでいく。 彼らが公言するSUPERCHUNKや緩やかに在るPAVEMENT風味、または後期SEAWEEDなど当時のまさに『あの手』のバンドからの影響を引き算しつつ今の型に捻じ込み、そこから清涼感か枯渇感どちらなのかとイメージが錯綜していくような特殊な曲群は、現行ではピッツバーグのTHE GOTOBEDS、はたまたTHE EMBARRASSMENT『Celebrity Art Party』とTHE SLICKEE BOYS『Here To Stay』(強引でしょうか笑)の掛け合わせなのでは!?とすらイマジネーションを巡らせてくれるこちらがBside.